鈴木基治 若き日のtrumpet日記1970年から
以降
鈴木基治 若き日のtrumpet日記1970年
1970年3月20日
(タッチ)アタックミスが多すぎる。
タッチが悪い、舌の動かし方だ、1969年9,13のに出ているように、ハイオクターブの
舌つきが、何故出来ないか?
これは、舌の両側を、動かしているって事に、ありそうだ。
空気に圧力を増すには、まず、口の中の舌の形がしっかりしていなくてはなるまい。
ローオクターブでは、そうでもないが、ハイオクターブになって、ますますそれが必要になってく
る。
1970年5月30日
ハイCまでのアタックが、80%がた、出来るように、しかしまだまだ、
リップの時の顎が、右の方に動く、これは、訓肉の片寄った、動きによるもの、これはやめなくて
は。
右に多くかかっていることはたしかだ。
1970年6月25日
身体の状態に重点を置いて、身体の調子を整えている。
しかし、梅雨時なので、外であまり、トレーニングが出来ない。
ラッパの方は、唇に負担がかからないように、30分区切りぐらいにして、やるようにしている。
1971年9月22日
月日がたつのは、早いもので、あれからもう2年も経ってしまった。
その間、TPの谷山さんの、バンドで大変お世話になった。
マウスピースは、BACHの、7CからPAPBIANCEの4☆D4を、使うに至っている。
そして今は、ハイDを、何とかコンスタントに使うこと出来るようになってきた。
しかし、Bb、B,のあたりの音を、確実に使えない。
コンスタントと言うことは、まことにむずかしい。アタックミスが多いし、この事は、今までの吹き
方に問題があった。
REDHOTオーケストラで、UNISONなど、いつも、唇だけで、音が見える程度に、かすんで吹
いていた。
しかし、それではだめだ。ある程度コンスタントに、みんなと、同じバランスで吹かないと。
今 MUSIC、VENDERS、で音楽を、勉強している、とにかく、生の音と、楽音と、音色。
今まで、あんなに音色とか、ロングトーンとか、基礎的なことばかり学んできたのに。
くやしい、しかし、基礎から、一歩前進しなくてはいけないらしい。
今かなり無理が生じている。
しかし、ここでがんばらなくては。
1973年11月15日
アドリブの道が、すこし見えてきた。
今はメモる事と、とにかく練習したい。
ペンタの開発と、Um7X7のフレーズ。要するに、ブレークの芸術へ、
ラッパで音を、探るというか、
ラッパとノートの上での音を近づけることだ。
1976年6月10日
現在、東京UNIONに、在団中、マジオシステムという、奏法に、本格的に、取り組み始めた、
ペダルトーンを吹くことによって、ブレスと、アンブシュアを完成させる、と言うもの。
そして、シラブルは、今までに、学んできたものと、ほとんど変わらない。
とにかく今は練習の時間が欲しい。
1976年7月19日
TPの中川喜弘氏と話をする機会があった。
アドリブについて、
相対的な、メロディーを、いつも、自分で把握していける、耳の訓練が、必要だ、とのこと。
あるキーのその音は、どんな位置の音なのか、たとえば、ラシドと、メロディーがあれば、
ラシドと自分の耳に入ってきてそれが、ラシドだと言うことが解かるよう、にならなくてはいけな
い、
との事である。
そしてキーが変わってもラシドはラシドである、
それを、こんどは、どんなキーでもスケールをマスターしておけば、どんなラシドでも吹けるわけ
だ。
耳の訓練が大事だそうだ、
それがアドリブの第一歩のようだ。
もうひとつ面白い事を言っていた。
私が、あなたに、おはようと言う言葉を教えたとする、
しかし、朝は、おはようという人もいれば、オースと言う人もいる、あるいは、イヤーと言う人もい
る、
だから、朝、どんな挨拶をしようと、勝手だ、それが、アドリブだ。
だから、私があなたに、おはようと言う言葉は教えられる、しかし、あなたが、朝なんと言おうと、
自由だ。
1976年10月14日
原点に帰る。現実の演奏活動におわれ、無理が生じ、ダブルアンブシュアの、典型的な、悪状
態に、陥ってしまった。
ロングトーンと、リップと、インターバルの練習。要するに、DAIRY,STUDYを、怠っていたこと
が、
今強く、ひびいている。
今現実の演奏に直面し、自己の人間性が、じゃまをしていたとの反省をしている。
人がどうのこうので、自己の練習意欲を、なくしていた自分、深く考えた結果わかった。
今、一日4時間の練習を、目標に、毎日の練習に意欲をもやしている。
日記は、ここまでで、おわっていた。今読み返してみて、随分勉強し、また、いろいろなことに、
悩んでいたこと
等が、思い起こされる。これからも ますますがんばって生きたいと、思っています。
若き日のtrumpet日記 完
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